甘美な無気力に身を任せて

とろとろに溶けた
だらしない日常は

緊張を忘れた頭に
弛緩しきった身体がくっついて

停滞し
甘く酸いた腐臭を放っている

道端に寝そべる
野良猫の怠惰のごとく

時に追われ
行き交う人々を横目に

じっとして
もぞもぞと飯を喰らい

身の回り
全ての動きを止め

苦悩はなく
代わりに
快楽も快楽と思えず

何もかもが
灰色に染まり

ただ
ゆっくり
底に向かって
沈んでゆく

怠惰と無感の中

静かに
時は醸される

この停滞の
心地よさと
恐怖に

身を任せて
溶けていく自我よ

お前を愛し
お前のために苦しんだ

その追憶すら遠のき
離れていく