人の苦境に張り切る人

風邪を引いた
怪我をした

そんなときに
なぜか張り切る人

普段の姿と
打って変わって

湿布をくれたり
いろいろな薬を
勧めてくれる

心配性なのか
人の窮地に黙っていられない善人なのか

ところが
しばらくすると

善意だと思っていたのは
実は押しつけ

世話を焼いているようで
この薬を飲め
あれを食べろ

弱っている身につけこんで
思い通りに支配する

医者の処方より
自分の勧める薬を飲ませる

本人は善意で面倒を見てると言って
相手の健康を気遣うと言って
そこに嘘はないのかもしれないが

病気の者が
自分の指示に従うことが

快方への
一番の近道だと
信じて疑わない

そこには
普段かくれている
狂信的なまでの
支配への憧れ

弱っている方は
辛いのだから
反抗もできず
なすがまま

善意と無知と支配欲が
織りなす

弱者につけこむ愚行

自己流で介護する
皮肉に満ちた茶番

あまりにも
身近にあって
おそろしい