2018-09-09 夏の終わりの生暖かい夜 詩 #詩 生暖かい夜に 扇風機回して 夏の日の過去を 遡る 凪いで 留まり 溜まった 湿った空気が 錆びかかった 扇風機のエンジンと 虫の音と 風鈴を微かに鳴らして 子供の頃 蚊帳の中で 汗を流した肌と 蚊取り線香の煙を 思い浮かばせ 停滞した夜の 心地よさに 幾ばくかの 怠惰と 悔恨と 甘美な艶めかしさを 匂わせる 味わい尽くし 疲弊した夏 終わりにいたる もの悲しさが漂い そして 安堵する