時に流されても

透徹した意志も
鍛え上げた体も

やがて溶解し
彼方へ消える

時の流れは
ゆるやかに

意志を積み上げ
体を作り上げ

継続の力を示しては
その裏で
忘却の影を忍び寄らせ

緩んだ意識の間際に
人を怠惰へと誘い込む

意思など取るに足らない
全てが朧げに霞んで

人は老い
衰え

失望は無念へ
無気力な沈泥へ

やがては無へと
手をこまねいている

だからこそ
浮かび上がるのは
人の意思そのもので

時かける意思の選択が
人生の舵を切る

障害があっても
難所に挫けても
途中で動くことを止めても

意思の下
生きて
生かされて

動き
動かされている

それが100%でなかったとしても
意思に依るところがあることが

絶望を食い止める歯止めだと
信じる