同じ夢を見て

自分が最も苦しかった時期
その夢を毎日見る

職場
友人
住んでいた場所

毎日
夢を見て

起きて
布団の中

しばしの回想
嫌な気持ち

夢は
悪夢ではない

だが
考えるうち

芯に残る
強烈な負の遺産
頭をもたげて

過去の出来事だけでなく
夢までも
真っ黒に染めてゆく

そう
あの時代
あの経験

耐え難い過去を
悪夢として
押し込め

わたしは
平静を保ってきた

いま
過去を勝手に
塗り込めた復讐が

わたしを
襲っている

夢で
妄想で

失敗から逃げた
あの時

悔やんでも
悔やみきれない挫折に

いまだ
囚われ
逃げられない
忘れられない

この恐怖を

悪夢と言わずして
なんと言うか