初詣初めての

電車で三十分
今まで
行ったことない
古刹への初詣

知らない町
初めて乗る路線

飴を切る音
香炉の煙

初詣を終えたなら

よそ者として入る銭湯
賑わう酒場

どれもこれも
生まれて初めて

今まで
来ようと思えば
いくらでも

気軽に
訪ねられたのに

何十年も
行かなかった

どれほど
歳を取ったとて

知らないものはたくさん
行かない所もたくさん

知らないこと
知らない町があって

自由に選んで
遊びに行ける

その選択肢が
満ちているのが
うれしくて

初めてが
たくさん残されているのが
楽しくて

未来に
期待した

この気持ち抱えて
しばらく
うたた寝したい