被害者であり続けても

不幸な事件や事故
生まれてしまった
加害者と被害者

時に埋没したくないと
被害者は声を張り上げる

加害者が
謝罪と賠償をしたくても

被害者は
なかなか許してくれない

許さないから
事件は終わらない

被害者であることが
いつの間にか
特権になってしまった

被害者であるがゆえ
優位な立場に立てる

被害者だから
声を大にしていられる

そんなこんなで
数十年

加害者も
疲れてしまった

終わらない謝罪と
訪れない和解

歩み寄れない二者

被害者もまた
協力しなければ

事件は解決に至らない

加害者の責任が問われるように
被害者の振舞いも難しい

起きてしまった不幸は
常に双方にとっての不幸なのだ