2019-02-24 ぶんたん湯 詩 #詩 今日の銭湯は ぶんたん湯 赤ん坊の頭ほどの ぶんたんが プカプカ 湯船に浮かぶ 手に抱え 間近で見れば 無骨なヘタ やわらかくも分厚い肌 湯船の中 目を閉じ ぶんたんの 匂いを嗅ぐ グレープフルーツに似た 苦味と甘い芳香 海辺の斜面に 一面に実った黄色の玉 差し込む陽射し 木々の間を抜ける 果実の香り 心に風が吹いて 場末の銭湯の湯船から どこまでも 遠い場所に行った そう どこまでも