初めて手に取る
数々の
文明の利器と
交差した
10年遅れで
買い求めた
それ
新しさも
興奮もない
感じたのは
世の中と
わたしの差
世の中から
乖離していた事実を
突きつけられた
片手に収まる
板切れ一枚で
生活を賄い
娯楽を堪能する
遠ざけていたのは
技術に対する臆病さでも
科学に対する懐疑でもなかった
人と同じに
埋もれたくなかった
それだけの虚栄で
人を遠ざけ
世を遠ざけて
いたのだった
遠くに来た
勘違いをして
遠くに
片手のスマホに
OK!グーグルと
尋ねたなら
戻る道を
教えてくれるだろうか