2019-09-17 稀人来たりて #詩 詩 マレビトの来る夜は 薄ら寒い風が吹いて 遠くから 匂いの違う 空気を運んでくる 街から街へ 村から村へ 異端者は 冷たい視線を浴びながら 風を運び 私たちは 違和感だけを覚えて 彼に気づくことはない また視線が あの時の夢が たった今の現実なのに 過去に見た 記憶の感覚 不思議な幻視 その隙きを縫って マレビトは渡っていく 街から街へ 意識から意識へ 記憶から記憶へ