過ぎゆく風

もう秋の風が

頬にあたる

 

湿気なく

空高く

 

澄んで

気持ちの良い風が

吹くたびに

 

わたしは悲しくなる

 

美しく

澄めば澄むほどに

 

秋は深まり

悲しさは増し

 

年は暮れてゆく

 

止まらない季節の回転

過ぎてゆく灼熱の記憶

 

夕暮れ時の風が

今日も問いかける

 

快適であるほどに

悲しい現実を