災難の時 我欲の群れ

嵐は去り

澄み切った

眩しい空の下には

瓦礫が転がっている

 

傷は

陽射しを浴びて

染み行き

 

隠れていたものを

暴き出す

 

惨禍ではない

喜劇だった

 

人々が

抑えていたのは

 

みすぼらしい心根で

愚かで

根源的で

力強いのだった

 

罵倒と専有を繰り返す

獣の群れは

 

人を忘れた我欲に塗れ

笑いの種でしかない

 

ここで生きる強さに出会うなんて

 

愚かしくも

普遍の真理よ

 

これから

ゆっくりと

覆いをかぶせ

 

体裁を整え

元の人に戻ってゆくのだろう

 

人は繕う生き物なのだから