魂が凝り固まるほど
視線は窄まり
大事なことを
捉えていると思っていても
実のところ
お定まりの
借り物の
誰もが言う教訓を
繰り返すだけ
広く
柔らかく
自由でいられるなら
辺境の
小さな石ころ一つ
道端の雑草一つ
何気ない
日々の生活の一片より
心が感応し
世界を彩るだろう
今は疲れて
凝り固まって
目も見えず
耳も聞こえない
それでも
風が運ぶ匂いに
時と季節を重ね
記憶の糸を手繰れば
豊かな心象風景が
たちまちに浮かび上がる