凝りほぐせない夜に

魂が凝り固まるほど

視線は窄まり

 

大事なことを

捉えていると思っていても

 

実のところ

お定まりの

 

借り物の

誰もが言う教訓を

繰り返すだけ

 

広く

柔らかく

自由でいられるなら

 

辺境の

小さな石ころ一つ

道端の雑草一つ

 

何気ない

日々の生活の一片より

 

心が感応し

世界を彩るだろう

 

今は疲れて

凝り固まって

 

目も見えず

耳も聞こえない

 

それでも

風が運ぶ匂いに

時と季節を重ね

 

記憶の糸を手繰れば

 

豊かな心象風景が

たちまちに浮かび上がる