生まれ落ちて

生まれ落ちて

人の醜さに触れる時

 

今いることの後悔と

これまでの我が歩みが

 

白々しく

無意味に思え

生は空虚となった

 

わがままと嫉妬は

それなりで収まるなら

 

人間らしさと

時には可愛らしささえ

演出する

 

だが

恨むほどに強まるなら

 

人は嫌気がさし

近寄りたくなくなるだろう

 

目の前に横たわるのは

常軌を逸し

怨念となった嫉妬深さ

 

おぞましくて

恐ろしくて

心身は硬直し

 

ここに

私は新たに

人ならぬ人の姿を見た

 

恨みに凝り固まり

人を遠ざけ

そのため

人の仲睦まじい光景が憎たらしい

 

ああ

私を地獄に堕としたのは

こいつだったのか

 

この厄介者が

生まれ落ちて

 

私も

生まれ落ちて

 

歪められてきたのか

 

気づくのが遅かった

 

歪みすぎて

もう手遅れだ