冬が来た

冬の気配

その徴は

 

色づく葉でも

朝晩の冷え込みでもなく

 

大きく息を吸い込んで

鼻の奥に届く

 

痛みにも似た

つんとした冷たさ

 

大気が澄んで

冷えてきて

 

息をするたびに感じる

 

毎日生きて

毎秒吸って

 

ただ繰り返し

繰り返し続けて

 

変わらぬつもりが

確実に変わっている

 

すぐに見えずとも

明らかな変化

 

今年も

秋は駆け足で

 

冬を思いながら

釣瓶落としの夕陽を眺める