バラの花は育てられなくても
バラの花に
美しさを見つけるのはわたし
世界を創造できなくても
世界の中に
居場所を見つけるのはわたし
カラカラに乾いた砂漠に
水を撒くのが不毛だとしても
疲れ痺れきった脳髄に
言葉をかける
現実を変えず
現実の見方を変えて
路傍の草ひとつ
命宿るものだと見直せば
世界は広く
豊かで複雑で
力強いエネルギーに満ちている
力は自然と湧き出すのではなく
青臭い生命活動に当てられて
波紋のごとく
周りへと広がっていく