目的を失った歯車

まどろみの中

何かをつかんだ

 

手に入れたと思った

真実の欠片を

 

起きれば

もう憶えていない

 

追い求め

探し求めたものが

何であったのか

 

ただ探し

ただもがき

 

目的すら

見失っても

 

探索をやめられない

 

止まることが

できない病

 

ただ続けている

 

続けていることが

安定し慣性となり

 

やめる勇気を持てなくなって

惰性と腐敗を呼び込んだ

 

同じ事ばかり

反復を繰り返す

 

そこにはもう

目的などなかった

 

古木の軋みと

油の切れた歯車

 

ガタガタと

音を立てて震える

 

ただ回すだけ

他になにもない

 

意味も作用も失われた

円環運動は

 

今宵も

止まることなく

回り続け

 

刻一刻と

身を削っている