豊年取り

冬の最中

生暖かい夜

 

緩んだ

 

忘年会の喧騒をよそに

一人

街の活気を飲み下し

 

彷徨を重ね

気分は浮つく

 

厄災もなく

進展もない

一年が過ぎて

 

安寧と

少しの悔悟

 

人生の味わいそのもの

 

何事もないことの

良さと辛さ

 

辛さは

年を経るに連れ

薄れ

 

ただ歳を取り

無事を喜ぶようになる

 

味気ないと

我を張れるのは

いつまでか