黄色い花

感傷に浸ったかなしみは

自然の中へ溶けてゆく

 

若葉芽吹き

華やぐ山々

 

可憐な一輪の

黄色い花

 

今年もまた咲いた

 

日々流転

千変万化する世界

 

同じ年などなく

ただ生きることに追われる

 

風景も

夢までも

 

見る余裕なく

過ごしてきた

 

その間に花は

 

咲いて

萎み枯れて

野に帰っていく

 

何年も

何十年も

何百年も

種を残し

 

そして

今も咲いている

 

恐ろしいほどに

自分勝手で

周りなど気にせず

 

咲くだけ咲く

 

良いも悪いもなく

咲いている

 

咲いているからには

それでいいわけだ

 

それだけだ

 

余計なものなんか

いらない