浮霊の街

電車はガラガラ

バスに人の姿なし

 

フワフワと歩いている

生気なき人々

 

生きながら死んでいる

 

川辺の桜

観る人もなく

 

ただ花びらが

川面に流れる

 

何も変わらない街で

魂だけが抜けてしまった

 

苦しめられた人々は

声を上げられず

 

押し黙れという重圧に覆われた

大気の中で

 

何もできず

何も言えず

 

ただ時が過ぎるの待っている