美文耽溺

美しい文章は

どこから湧き出ても

美しい

 

醜悪な魂に宿り

犯罪を寄す処とし

原稿が血に塗れたとしても

 

美しい文章は

凛として

其処にある

 

それは

虚栄心や自己顕示欲により

バラまかれた金が

人を救うように

 

いかなるクズの手に寄ろうと

良いものは良い

 

聖人君子のお説教や

シャチョーの有難いお言葉

 

何の魅力も内容もないものを

立場を用いて喧伝する

言語に対する欺瞞

 

こうした社会に蔓延する駄文に

立ち向かうために

 

我々は

ゴミが書こうが

クズが書こうが

 

背景など考えず

ただひたすら

美文を称揚せねばならぬ

 

刑務所の中から

反社会の衣を身にまとっても

 

美しい文を

書きに書くのだ