手繰り寄せる日々に
手垢がついた頃
離れたくなった
暮らしを噛みしめることは
足枷にすぎなかった
飛ぼうとして
飛び上がれず
抜けようとして
動けない
いつしか
身体を精神が縛りつけていたのだ
一定のテンションをかけ
転がり落ちないように
安定を保っていた
長すぎたのた
心のワイヤーは錆びつき
弛めることも
締め直すことも出来ず
切り落とすしかなかった
ぐらつき始めたら
あとは真っ逆さま
ここには
二度と居たくなくなった
ただ流れていきたい気持ちだけが
たなびいて
薄雲のように
心にかかり
どこかを
探し求めている