うざいの語域

付き合うのが厄介

相手をするのが面倒くさい

 

そんな人は

幾らでもいるが

 

自分が

相手に邪魔だと見られ

 

ぞんざいに扱われる時ほど

嫌な気分になることはない

 

ましてや

接客業で

 

金だけ払えば用済み

とっとと出ていけと

暗に態度で示されたなら

 

小銭のやり取りであろうとも

不満鬱屈のやり場に困る

 

うざい

 

20年

25年

 

流行って

定着した言葉

 

明らかな無礼

直接の損害までには至らぬが

 

面倒な対人の不快を

包み込んだ表現

 

なんと使いやすく

使われたくない言葉よ

 

嫌いな言葉

嫌な言葉

使わずに済ませたい言葉

 

幼稚なのに

的を得ているから

たちが悪い

 

どうか

呪われた言葉から離れ

 

自らの生む語が

適当なあしらいの道具とならぬように

 

傷つけるなら

覚悟を持って

 

刺す時は刺す

 

そんな

真剣な言葉を目指し

 

曖昧で

ふわふわした

人を煙に巻く

 

多義性

多様性などという

 

寛容の振りをした

したり顔の

 

相対主義を掲げた

己をおくびにも出さない

 

いい加減な輩の修辞に

溺れぬよう

 

うざいと

決別したい