孤秋の景

花畑にそそぐ陽光より

枯野を吹き渡る風を眺めたい

 

天は高く

空は蒼く

 

頬に冷たさを感じて

すすきの穂がざわめいてゆく

 

澄んだ空気と

草木の匂い

 

遠くに枯葉焼く煙

たなびいて

鼻を焦がす

 

一面の枯葉は

陽に輝き

黄金へと変わり

 

紅く染まった木々は

一つまた一つ

葉を落としている

 

人のいない山に

巡る季節

 

人などいなくていい

どの誰が死んだって

 

ここは変わらない