2020-09-29 うらびれた店 #詩 詩 うらぶれた店では 誰もが下を向いている 喋らない 呑まない 食べない 時が止まり 固まった人の姿だけが 席に張り付いている それでも 通わずにはいられない 行き場のない人々の 吹き溜まり ぽつり ぽつりと 人が消え また 迷いついた者が 席につく 入れ替われど 佇まいは変わらない 永遠を映した 停滞の場 浸かれば 二度と出られない 苦渋が染み出した 安息の場所