死支度

人が死ねば

 

ぽっかりと

胸に穴があいて

 

そのぶん

肩が軽くなる

 

死の連鎖

 

これまで幾度も

死を聞いて

 

順繰りに

死が近づく

 

死に向かう列は

確実に進み

 

怖れから諦念へ

仕方なく

心は移り変わり

 

自ら託した

生への夢は

 

ひとつ

またひとつと

失われる

 

そこには

落胆と

奇妙な安堵が

同居している