風寒く

風の中に

冷たさが混じる

 

鼻の奥まで通る

冬の足音

 

いつの間にか

季節は変わっていた

 

人の服も厚手

開放感も消えた

 

精神は

徐々に内に籠り

 

寒さに身を固め

家から出ることも減り

 

陽光は柔らかく

肌を焼く刺激は薄れ

慈愛に満ちた

温かみをもたらす

 

やり残したことはなかったか

 

生れてはみたけれど

なにかを忘れてきてしまった

 

間尺に合わない

馴染まない感覚を引きずって

 

季節が変わるたび

思い出そうとするのに