一人の世界で

余裕なき者の

視野は狭い

 

風景は

彼の前を

通り過ぎてゆき

 

彼は

それに気づけない

 

いつの間にか

木々の葉も落ちていた

 

日は短く

行き交う人も足早

 

彼だけが

取り残されているのだった

 

一人

飽和した時の中を漂い

 

外界を遮断として

ひたすら逡巡していた

 

行き詰まるこの生の成り行きは

己がもたらしたのかと