何というかなしさ

この悲しみが

自分だけだなんて

 

この悲しみで

自分だけでないなんて

 

なんて悲しいのだ

 

私の想いが

私だけのものであり

 

私の想いが

私だけのものでない

 

私は私であって

私でない

 

ちっぽけな

やがて絶えてしまう

 

私だと思っていたのに

 

私は

私ですらなかった

 

名などなく

身体も虚ろ

 

憑依された

さまよう幽霊の一体

 

どれほど足掻こうと

藻掻こうと

 

実体は

手に入らない

 

掴みかけては消える

わたしよ

 

お前は

この世に現れた影

 

操られた

かなしき塊にすぎない

 

そして虚無は

続く