誰もいない部屋
数ヶ月もの静寂
何があったのか
誰にも分からない
ベタベタの
粘着シートに
ネズミが
一
二
三
四
五
六
七
ずらりと
横たわり
あるものは
腐臭を放ち
またあるものは
美しい毛並みを
靡かせていた
放置されていた
それらは
生命を失ってから
あまりに長い時を経て
すでに
物質になっているのだった
はじまりも
終わりもなく
ただ
転がっている
生命だったもの
在ることでのみ
痕跡が確認され
気配も
うつろいも
感じられず
そんなものたちが
無尽蔵に
わき出ては
消えているのだった