なにもないこと

なにもないこと

何も起こらないことが

 

平穏だと

思いたい時がある

 

幸せより

未知への期待より

 

無事でいられる安堵

 

それは

危機をくぐり抜けたからでもなく

保身によるものでもない

 

腑抜けた

何も考えたくない

空白をもとめる

希薄な精神の体たらくであり

 

同時に

疲れた一年の終わりの

興奮を鎮める願いであり

 

今を怠惰とし

全てを先延ばしする

 

理由なき

未来への信頼である