季節を詠う

目の前の風景を

時季に合わせて描写する

 

描く対象を思いつかない

主体性を失った

その場しのぎの書き物と

思いながら

 

重ねてゆくと

 

人生の陰影と

毎年の輪廻と

 

あと何度

この季節に身を置けるかと

名残りを味わう感慨が

身に沁みて

 

同じ季節を

同じように

 

淡々と

つつがなく描くのが

 

いつの間にか

 

肯定感に満たされた