宵待ちの寝言

知識は筋肉と同じだ

使わなければ萎んでいく

 

知り得た喜びに酔い

調子づいて天狗になっても

 

いつの間にか

その知識はボロボロ

穴だらけになっている

 

終わってしまった人生の

余韻を愉しむ宴に

 

穴のあいた肴を引き出して

酔いさらばうも一興

 

断片でしかない

哲学も文学も

 

どこか知ったかぶりで

悲しさを湛え

 

喋れば喋るほど

自己嫌悪に陥り

 

過去にすがっては

現在を嘆く

 

それにも飽き

呆れ果てた己の

情けなさを笑い

 

口を尖らせた自慢話を

振り返ることもなく捏造し

 

山ほどの嘘をついて

その中に隠れた涙を忍ばせるのです

 

笑ってください

 

ボロボロなのです

 

行き場がないのです

 

醜態をさらしているのです