2022-02-01 わたしを忘れる #詩 詩 わたしは わたしを忘れた 人波の喧騒を聞きながら 腰掛けたまま 話すことも 考えることもなく 揺蕩っていた わたしが何者で 何を言うのか どこから来て どこに向かうのか 生まれも 行く末も 存在すらも 忘れられて 幸せだった あるかないか分からず あろうとしなくて良く 努力も必要なければ 何の不毛もない 揺蕩って 不感温度の風呂に浮かぶように 何もせずにいられる心地よさが 身に沁みる時だった