夢の帰還

懐かしい顔が浮かび

喜怒哀楽に満ち

 

夜の屋台のごとく

朧気に

 

それぞれが

光彩を放っていた

 

今はもう

夢でしか会えない

 

脳裏に浮かぶ顔は

郷愁にも似た

匂いがついて

 

かなしく笑い

傷を疼かせる

 

春の夜の幻か

迷いでた亡霊は

 

記憶の中を

彷徨い

 

わたしを

困惑で満たし

 

時を飛ばし

 

不意に消え去った

 

再び

夢に出たならば

 

わたしは

わたしを疑ってしまう

 

なぜ

出てくるのかと