2022-06-04 あの桃源郷へ #詩 詩 あの山を越えれば桃源郷 桃の花咲き 蝶が飛び 雪残る山々 遥かに見えて 濃い陽射しに 憂さも晴れ 誰も知らない 自分だけの別天地 すぐにでも行きたいが 代わりに 身ぐるみ捨てねばならぬ 目の前の天国に 飛び込む勇気が持てなくて 息詰まり 塗炭の苦しみに喘ぐ 貧乏ぐらし それでも 捨てられない日常 天国を夢見ながら 泥にまみれて死んでいく そんな 落ちぶれた哀しさにも 美しい風景が 必要だった