かなしい拝手

苦しければ苦しいほど

信じるものにすがり

 

明けの明星と仰いで

 

身の回りの

寒々しい現実から

目を背ける

 

つらい

だから

見たくない

 

見たいものだけを

見ていたい

 

虚像であっても

詐欺であっても

 

信じられる瞬間を

得られた幸福に感謝して

地獄へ堕ちてゆく

 

美しく

愚かで

かなしく

 

食いものにしている奴らの

笑う顔すら

 

菩薩の微笑みと

見間違い

 

手を合わせる