ありふれた日常

人がバタバタ

死んでいく

 

今日も

明日も

明後日も

 

あまりにも死ぬから

死がありふれて

 

悼む時もなければ

悼む心もなくなった

 

ああ

また死んだ

 

死にすぎて

死んだ後には

草も生えない

 

うち重なる死体に

たかる蝿の黒い山

 

腐臭に麻痺した鼻

荒野に刺さる陽光

 

照りつけられた屍が

腐り溶けて

 

ベタベタのヘドロとなり

茶色い液体がしみ出している

 

そんな世界の中に住みながら

気づかないで生きていることの

 

幸福と無常