南国の市場の食堂
乱雑に積み上がった古雑誌
薄暗いテーブル
窓の外の強い光
ぬるい水
生ゴミの腐った匂いが流れてくる
緩慢に流れるテレビ
動かない老婆
眠っているのか起きているのか
生きているのか死んでいるのか
保温を繰り返した茶色い飯
丸焦げの熱帯魚
色がついただけの汁
鼻を突く腐臭で
味はわからない
飯を喉に通すのが苦痛だ
ああ不味い
こんなに不味い飯を食べたのは
いつ以来だろう
不味くて不味くて
嬉しくなってくる
無言で飯を食い
店を出ても鼻に残る腐臭に
吐き気をもよおしながら
青空の下
こんな食堂が残っていることに
感謝したくなった