旅に出れば

旅に出れば

 

しがらみが

解きほぐされて

一人行く

 

湯けむり立つ町の

宿で出会った人の優しさ

 

港町にて

騙されて泣いた夜

 

夕暮れの山村を

離れゆくやわらかい陽

 

恋しくなった住む街を想い

一人さびしく進みゆけば

 

孤独の中の自由を吸い込む

 

あの時

感慨に耽った岬

 

吐いた言葉は

封じ込めた

 

今ふたたび

同じところに行ったなら

 

己の若さに出会えるだろうか