2017-03-04 目の前に死 詩 #詩 私の前に死にゆく男がいる 酒に溺れ 職を失い 家族は離れ そして酒に溺れた つやのない肌 紫色の唇 世界を怨む言葉 堕ちてゆく ただ堕ちてゆく男 もう酒も臓腑に落ちていかない その前で何が出来るか 星の数ほど揺らめく命のなかで この男が死ぬのに 私は関わるべきなのか 分かっているのは一つだけ この男はもう死ぬのだ 逡巡しながら 私は見ている ただ見ている