曇天に告ぐ

厚く垂れ込め
光を遮る雲よ

汝は
天蓋の最も下位にあり
地を覆い
而して
地に落ちず

空に浮かびながら
十全な重さを思わせる

汝は
我が精神に巣食い
蓋となり
視界を塞ぎ
目を曇らせ
迷わす

心沈み
陽射しはなく
気は淀む

雲よ散れ
我は風を吹かす
身が千切れ
体砕けようと
全霊を賭し
曇天を吹き飛ばす

開けた世界が
石ころ一つない
荒野だったとしても