気の抜ける夜

毎日毎日毎日

もうダメだと思っても
ほんとうにダメになったことはない

もう生きていけないと思っても
生きていけなかったことはない

そこそこの失敗
そこそこの挫折

それを拡大鏡のように
被害妄想に育てあげ
苦悩の気分に浸る

自分が悩み苦しんでいる状況は
一種のナルシズムにも似て
どん底にいることの
絶望の中には
確実に陶酔がある

甘美で
なよなよして
くよくよして
どこまでも落ちていく
堕落と淪落の快楽

脱力して漂っているのだから
気持ちがいいのだ

苦しくても
抵抗をやめれば
楽になる

それが良いか悪いか判断するのは
あとの話だ
責めるのは
気力が満ちてからでよい

ただ休んで
自分が生き物として
生命が満ちるのを
信じていられれば良い