夏の屋台

淀む川の腐臭
夏のダルさ

人混みの汗
足元の蟻
垂れて落ちる水飴

白熱電球の橙色
群れる羽虫
酸欠の金魚

ソースせんべいの匂い
リンゴ飴の光沢
綿菓子の浮遊感

子供の頃
目も眩むほど
楽しかった祭りの屋台

大人になっても
心は浮かれる

ただし
大人は騒がない
大人になるということは
分かってしまうことなのだ

子供にとって初めての
非日常の祝祭が

来年もやってくるのだと言うことを