夏の夜の徘徊

暑さを避け
喧騒を避け

深夜
歩き出す

酔っぱらい
野良猫

途切れることのない
街道の車

住宅地の静けさに
ただ一人歩く

やがて夜も果て
白みつつある空を眺めながら
坂道をトボトボと登ってゆくと

自分だけが
世界の胎動と対峙しているような
孤独と
爽快とに
包まれる