2017-09-01 涼翳 詩 #詩 秋風が吹けば 一雨ごとに 涼しさは増し 夏の弛緩した空気は 真綿で締め上げられるように 清涼で乾いた大気へと 置き換わってゆく 空気は 冷たくなればなるほど 身を刺すように 鋭さを備え 我々もまた 無防備ではいられず たくさんの衣を着けて 冷気から身を守る もう夏は終わる 生あたたかい夜の乱痴気騒ぎは果てた 今はただ 余韻を残すのみ