投壜

小さな言葉を
小壜に詰め
海に流す

誰に届くのか
どこに届くのか
誰にも分からない

波に揺られ
時代を
場所を
飛び越えて

ただ小壜は揺られ
拾われるかどうかも
知れない

ネットの大海を
無数の小壜が行き交い
行方知らずの言葉は
漂い続ける

それは
届けという
人の願い

誰かも
どこかも
分からなくても

今ここにいない
誰かを
信じるから

人は言葉を投げる