疼く

痛めた足が
記憶が

ふと甦り
トクントクンと
鼓動する

すでに治り
忘れかけたはずなのに

突然
意識の外から

過去を思い出させる

立ち止まり
心を落ち着け

追憶を振り返り
再び今に目をうつす

過去が今をつくる
今は未来を向く

疼くのは

追いすがる過去が
不即不離だと
伝えているからで

美しい思い出が
現実から昇華する一方

未だに疼く過去は
忘れてしまいそうだった
私という存在の
生々しさを
思い出させる

苦々しさもある
封印したくもなる

だが
それもまた

現実を彩る
さまざまな色合いの
鮮やかさを引き立てる
スパイスの一つでもある