学校に通って得たこと

卒業してから
学校の先生の言っていたのは
概ね正しかったろうと
思うようになるが

学校の先生だって
自分が学生の頃は
悪さの一つや二つも
しただろう

学校という箱に
育ち盛りの子供を
押し込んで

朝から晩まで
机に座らせる

今思えば
並大抵のことではない

一日二日なら
静かに座っているだろうが

一年も座りっぱなし

少しは好きな授業もあるが
ほとんどは興味がなくて
しかもカリキュラムは
強制だ

大人だって
給料をもらうか
見返りがなければ
そんな苦行には付き合わない

だから
学校という場所が
押し付けてくる
価値観が好きでなかった

先生は嫌いではなかったが
仕事のためとは言え
きれい事ばかり喋るのが
好きでなかった

教育という権威
品行方正でなければならない権威

教室で
先生一人に生徒数十人
偏った力関係を
権威によって
成り立たせる

先生という無条件の権威が
人権
などと一方的に喋る

大切なことだけれど
やはりきれい事であった

今思えば
学校に通った意味は

半ば強制的に
毎日クラスメイトと顔を合わせ
グループ活動をする
コミュニケーションの取り方を
覚えたこと

人と会うのを恐れなくなったこと
人混みに馴れたこと

集団の中で
自分という個が
活き活きと輝くのは
誰かの力がなければならないと
悟ったことだ