安定と不安定

安定には山も谷もなく
不安定は平らでない

安定であれば明日を予期し
不安定なら予測不能な未来が待つ

安定は硬直で退屈で安心
不安定は変化し興味深く危険

落ち着きたいところを安定させ
変わりたいものを不安定にする

代わり映えのない朝食によって
確固とした栄養を摂取し

未訪のレストランの夕食に
興奮と新たな体験を期待する

自身が取り込んだスタイルで
安定と不安定をバランスする

それ自体が既に安定した生活に
包摂されたもので

不安定という言葉を用いても
結果的に自ら脅かされることはない

つまり日常
退屈というより
変化自体が
予定調和に組み込まれ

そこそこのハプニングと
そこそこの期待とともに
カレンダーを捲る

この日常を
小市民的だと軽蔑した若かりし日
手放したくないと願う老いの最中

どちらも共感するように
なってしまった